作家  蜂谷 涼さん

小説は恋愛と同じ。
でも、惚れてるだけじゃ作品はつまらなくなる。

今年3月、読売新聞社から『煌浪の岸(こうろうのきし)』という小説が出版された。
舞台は、明治期から大正期にかけての小樽。
煌浪亭という格式高い料亭を中心に、さまざまに絡み合う男女の心と、それを取り巻く情景とが丁寧に描かれている。
作者は蜂谷涼さん。
柔らかな華やかさ。
真っ直ぐな視線。
しなやかな強さを感じさせる女性だ。

東京でコピーライター、シナリオライターとして働きながら、平成4年頃から小説を書き始めた。
時代小説を書こうと思ったのも、小樽という土地を選んだのも、ただ単に郷愁からではなく、舞台としてのこのまちに、大きいスケールを持っていた時代に、『惚れた』からだという。
これからも好奇心の赴くまま、たくさんの『恋愛』を掴んで、わたしたちに見せてほしい。

はちや りょう

1961年 小樽市生まれ。
1983年 小樽商科大学短期大学部を卒業。
1990年 シナリオ作家協会主催シナリオ講座研修科終了。

 「銀の針」で第11回読売ヒューマン・ドキュメンタリー大賞カネボウスペシャルの佳作にはいる。
1994年 「分別回収」で第79回文学界新人賞の最終候補になる。
1997年 「煌浪の岸」で第3回小説新潮長編新人賞の最終候補になる。



 BACK  NEXT  INDEX  TOP